said梨依華

ーリンリンリンリン
………………。
ーリンリンリンリン
……うっ、うるさい……。
布団から手だけを出して目覚まし時計
を止める。
「ふっ、ふわぁ~ねむ~い……まだ、寝
たいわぁ」
眠い目を擦りベッドから起き上がり、
目覚まし時計を持ち上げる。
「うぅ~ん、今何時かなぁ?……っ
て、えぇぇえ!?は、はは、はは
は、8時!?」
おはようございま~す。
初めまして!
うち、江藤 梨依華(えとう りいか)よろしくね☆
朝は、いつもこんな感じ。
ドタバタ。
梨依華は、急いで真新しい制服を着
る。
全身鏡で自分を見る。
う~ん、あんま似合ってない気が……い
やいや!
自分で似合ってないとかダメダメ!
似合ってなくても、似合ってると思わな!
首を振り、さっき思ったことを頭から
消す。
髪の毛をブラシでぱっぱっと、とく。
よしっ!
これでオッケー!
梨依華は、急いで階段を降りた。
「お母さんっ、おはよ~」
焼いてあった食パンをくわえる。
「おはよ。うんもうお行儀が悪
い。ちゃんと座って食べなさい!」
「は、は~い」
うぅ~時間ないのに~。
お母さんのバカッ!
立って食べたっていいじゃんかっ!
心の中でお母さんに怒って、食パンを
口に詰め込む。
「もっとゆっくり食べなさい。じゃな
いと……」
「ううん~うんっ、うっふ、ふぁふう
ふあんがぁぁ~」
梨依華は、胸を叩いた。
うっ、食パンがっ……の、喉に……詰まった……み、水…はやく水を、なんでもいいから飲み物を。
はやくぅぅ~!!
「だからゆっくり食べなさいって言っ
たのに、バカなんだから~はい、水」
ーゴクゴクゴク
「ぷはぁ…はぁはぁはぁ、し、死ぬか
と思ったわ」
息が出来ないってあんな感じなんだ。
ヤバイわ。
マジで死ぬって思った。
食パン、怖いわ!!
「ぷぷぷ」
ぐっ……笑われた。
酷い、酷いよお母さん。
ってそんなことしてる時間な~い!!
「時間ないから、学校行くね!いって
きま~す」
「待って待って、今日は入学式よ!入
学式は、昼からでしょ?」
「えっ!?」
のぉぉぉぉおお!!!
うそ~~!
そんなのありかよ~涙
「もっと寝ればよかった……」
梨依華は、ちっちゃな声で呟いた。