江戸で浪士達を集めるよう
山岡 鉄太郎に命じ、清河 八郎の動きを報告させていたこと

その為、清河が浪士達を連れて江戸に戻るということは、最初からわかっていたこと

そして

尽忠報国の志を持ったものが残ること

大勢の心がばらばらな浪士ではなく
志をひとつに残った浪士達こそ
本当に集めたかったということ

その浪士組の始まりから、これからを予想して計画をたてている者がいること

会津公が広沢に顔を向けて言った

「参謀を呼んで参れ」

広沢が参謀を呼びに部屋を出たあと

「困ったことがないか?足りないものはないか?遠慮せず言ってくれ」

会津公の気づかいに、皆、恐縮していた


しばらくして

「失礼致します 参謀が参りました」

参謀を呼びに行った広沢が戻ってきた

広沢の後ろから一礼し
黒い覆面をした人物が、二人入ってきた

背丈は同じくらい、会津公の右側に華奢な覆面、左側にがっしりした覆面が座した

がっしりした覆面が
「参謀、司と申します」挨拶をした

そして、会津公が
「儂の右手に居るのが、優太である」
と紹介し

優太が少し頭を下げた