門の所へいくと……

門の内側から



「雪子!」 兄上?


「え?どうして……?」

「無事なのだな?」

「兄上?」

「雪子!」

門の扉に手を当てる

この扉の向こうに会いたかった兄上がいる





「兄上、中へお戻り下さい」

「一目でいい。顔を見せてくれ」




刺されたこときいたんだな


「兄上、ご自分の身の上をお考え下さい
皆が何のために戦っているとお思いですか?のこのこと、やられにきたのですか?ちゃんと守られて下さい!」


「雪子!お主こそ、守られるべきである
門を少し開けるで、中へ参れ」


「開けてはなりません!
私は、大事なものを自分の手で守りたい!
わがままばかりで、心配かけます!
でも、後悔したくないのです!
兄上!!守らせて?お願いします!」


兄上が雪子と呼ぶから、あえて私と言った


「わかった……雪子……お主は、儂の妹
やりたいように、生きたいように生きろ」


「ありがとうございます」


兄上は、変わらない
松平に養子に行く時も、同じ言葉をくれた


「兄上!大好きです!」

「雪子!儂もだ!!」


兄上の足音が遠ざかる……


さよなら