蒔田 廣孝が慶喜の所へ挨拶にくる


「よ!」

「へ?」

急に雪から声をかけられ、驚く蒔田

「久しぶり!」

「え?雪之介?」

「ん!」

「ええええーー!!」

間抜けな大声を上げ、注目を浴びる


「慶喜様の前だぞ!?」

「申し訳ありません……」


「江戸に居る頃に、会ったとか?」

「はい!
お互い名前以外を知らず
世について語り合ったものです
まさか……慶喜様の側近とは……」


「ぷぷっ
俺は、名簿見て知ってたから驚かないけど
間抜けだぞ!」


「お前なぁ!いや、失礼!えと、その、」

慶喜様の側近へどう言えばと悩む蒔田


「身分関係なく、人が幸せになるために
偉くなろうって、偉くなっても
変わらずにいようって約束しただろ?」


「雪之介!!」

蒔田は豪快に抱きついた!


遠巻きに注目されたまま

男同士抱き合う

…訳にはいかず



「はなれろ!」

雪之介が蒔田を叩く

もがくがはなれない

ぎゃあぎゃあ


慶喜が微笑ましく二人をみて

「それくらいにしろ」

助け船を出す

蒔田がどっかいったあと


「誰かが、俺を覚えているって
嬉しいもんだな」

「そうだな!友と呼べる者が多い
お前が、羨ましいぞ?」

「…………」

慶喜からそんなこと言われるなんて
雪之介が少し笑い



「そう?///」

照れた

慶喜がはじめて見る雪の表情だった