杏がそう言ったと同時にチャイムが鳴った。

......思い出せないから聞いたんだけど.....。

あたしは授業が始まったにも関わらず、ずっと思い出そうとしていた。

あたしが四人の部活を?......100歩以上譲ったとして、夜の部活を決めるのは分かる。

だけど.....あとの三人の部活をどうしてあたしが決めなきゃならないの.....。

いくら考えても何一つ思い出せないあたしは、隣の席に座っている夜の方を見た。

......夜の顔を見てたらもしかすると思い出すかも。

そんな事を考えながらずっと睨みつけるように見ていると、

「........?」

夜もあたしの事に気付いたのか、そのままあたしの方を見てくる。

お互いそらしもせずにずっと見続けていると.....夜が......あたしを見ながら笑ったのだ。

ものすごく優しい笑みでそのままあたしを見てくる。

あたしはそれに驚いてしまい。思わずフリーズしてしまう。

......夜が.....あたしに......笑った....?

どうしようも出来なくなったあたしは......