大嫌いで大好きな幼馴染み

思いがけないことを言われ、信じられないといった意味でそう言う。

「あら、くるみの言うとおりだわ。まぁ....四人って言うか夜のって言うか....。あれはどうであれ蝶が決めたものね。」

「......ありえない。」

二人の話を聞いていると自分が本当にそうしたのかというふうに思えてしまう。

......が、あたしにはそんな覚えがないから戸惑ってしまうばかりだ。

「そもそも何であたしが決めたの。自分たちで決めるのが普通でしょ。」

「......一年前の話なのに忘れちゃったのね。蝶。」

「そうだよ~。一年生の時に決めたんだよっ‼ほらほら蝶ちゃん思い出して~‼」

「......一年のとき......?」

.....一年の時と言われてもその時の記憶としては、夜と同じ学校なのと同じクラスになった時の嫌な事しか覚えていない。

どうしてあたしが四人の部活を決めたのか.....。

.....そもそもどうしてあたしなのかという事だ。

「本当に覚えてないのね。......あの時、私が蝶にこう聞いたでしょ。『いろんな部活があるから吉野達迷ってるみたいなのよ。.....蝶は夜がどの部活に入るか分かる?』....って。」

「.......」

杏が言っていたことに対して、あたしはその記憶をひっぱり出すように思い出そうとする。