大嫌いで大好きな幼馴染み

「くるみ。蝶みたいに頭が良くなりたいならちゃんと勉強すればいい話よ。」

「.......だって、勉強しても分かんないんだもん......」

「くるみの場合、自分がどこを分かんないのかが分かんないんでしょ。」

「ちがっ....‼ちゃっ...ちゃんと分かってるもんっ‼」

「蝶。くるみをいじめないの。」

そんなこんなでくるみの頭の悪さについて話していると廊下の方から名前を呼ぶ声がする。

「おーい。夜ー。」

自分が呼ばれたわけではないのに、ついそっちの方を見てしまう。

「あぁ......吉野(よしの)」

隣に座る夜はそう言いながら相手の方へと向かっていった。

「.......あいつ、久しぶりに見たような気がする。」

あたしはそうポツリとつぶやいていた。

「吉野くん?まぁ蝶は自分の教室か、屋上かのどっちかしか行かないもんね。でもあたしはたまーにだけど教科書とか借りに行くよ。」

「私もたまに着いて行くけど、その時に吏央(りおう)と旭(あさひ)も一緒にいたりするわね。」

”私たち以外はみんな2年になってバラバラになっちゃったけど”と杏は話していた。