大嫌いで大好きな幼馴染み

「ちょっ.....やめて.....」

いまだに寝ている状態の格好のあたしを、くるみはそう言いながら揺さぶってくる。

「蝶~~~」

「だからっ......やめてって.....」

必死にくるみを止めようとするが、まだまだ眠けが残っているため体が思うように動かせずにいた。

「くるみ。そんなに揺らしたらかわいそうよ。やめてあげなさい。」

そしたらそこに杏がくるみを止めに来てくれた。

「杏‼ダメだよ杏‼蝶を甘やかしてるからいつもこんなに自由に生きてるんだよっ‼だからここはあたし達がちゃんと蝶を--....」

「くるみうるさい。」

「なっ......‼」

あたしはうつぶせの状態で顔だけくるみの方へと向けそう言った。案の定、目の前のくるみは怒っている。

「蝶はどうしてそんなに自由なの~‼今日だって普通に遅刻するし、授業にだっていつも遅れるし。それになにより授業中寝ててもテスト出来るくらい頭いいなんてずるいよっ‼ずーるーいーっ‼」

「あーもう分かった分かった。次は寝ないから。ごめんってば。」

あたしは耳をふさぎながらしぶしぶ体を起こした。

くるみはあたしに何かと突っかかるから、折れるのはいつもあたしだ。.......こうなるとしつこいぐらい面倒になるからほんとにくるみには敵わない。