大嫌いで大好きな幼馴染み

.....そう。あの手紙は母さんの手によって書かれていたものだった。

あたしがあんな内容の手紙を書くなんて100%ない。

だからさっきの嫌な予感は当たっていたのだ。

でも夜はあたしの母さんの仕業だって絶対分かってるのにどうして本当にあたしと出かけようとしてるのか分からなかった。

.....夜はあたしとなんて出かけること自体考えていなさそうなのに....

「言っただろ。絶対だって。」

「どうして行くの。あたしは嫌。だって女の子達に囲まれたくないし、あんたの事嫌いだから。夜だってあたしの事嫌いなくせに。.....一緒に出掛けるほど仲良くないし。」

「.....蝶?」

「それにもともと嫌いって言ったのは夜でしょ!?」

.....気づけばそんな事を言っていた。

きっと今泣きそうな顔をしているかもしれない。

だから言った事に後悔した。

.....本当は”嫌い”と言われたのを今までずっと気にしていたことが知られるのが怖かった。

「.....今の忘れて。....ごめん。」

目をそらしながらそのまま夜を通り過ぎようとした。

....その間際に夜が口を開いた。