大嫌いで大好きな幼馴染み

「....何だっていうの....」

あたしはしぶしぶ押し付けられた紙を広げ、読んでみる。

「『やっぱりこんなお礼だけじゃ気が済まないから今度の土曜日、一緒にどこか行かない?蝶』.....は?」

読み終わった瞬間ぐしゃっとその紙を丸めていた。

そして先に行ってしまった夜の所へと走る。

「.....はぁっ....夜!」

「.....読んだのか。」

わざわざ走ってきたにも関わらず、夜は一瞬だけあたしの方を見る。

そしてすぐまた歩き始めた。

それに腹が立つ自分。

だから無意識に夜の腕をつかんでいた。

「待って」

グイッ

「.....何だよ。」

「あんたこれ、あたしの母さんが書いたって分かってるんでしょ?こんなのウソだから。どっか行くなんて....しかも二人で行くのなんて考えられない。」