大嫌いで大好きな幼馴染み

「普通に考えて分かるでしょ。あんたにお礼言うためにいるんだけど。」

「しかも制服着てないし。」

「あぁ....今日は遅刻しようと思って。」

そう....制服に着替えなかったのは遅刻する気満々だったわけで。

その理由はもちろん。

「.....何でだよ。」

「あんたとなんて一緒に学校に行きたくないからに決まってるじゃん。それに女の子達があんたに群がるし。だから嫌なの。遅刻するの。」

”それが理由だから。あんたはさっさと早く学校行きなよ。”

とあたしは夜に言い、つかまれていた腕を振りほどいた。

そして家の中へと入った。

「あっ蝶!ちゃんと夜くんにお礼言ったの?あとクッキーも渡した?」

家の中に入るなり台所にいた母さんが言う。

今日の仕事はお昼からだと言っていたから本来いない時間に母さんがいるのは少し残念だった。.....いろいろとうるさいから。

「ちゃんと言った。ちゃんと渡した。」

「そう。良かったわ。ふふっ」