突然、右側にはめていたイヤホンが誰かによって外された。

だからとっさに隣のやつを見てしまったのだ。

「.......当てられてる。」

そいつはあたしにそう言う。

「.......あたしに話しかけないで。勝手にイヤホン取らないで。.....あたしが当てられてるんだったらあんたが答えればいいじゃん。」

.......ものすごく冷たく、嫌な顔で、隣のやつに言った。

そしてもう事は済んだように再びイヤホンを耳につけようとする.....が。

「なんで俺がお前の代わりに答えなきゃダメなんだよ。当てられてるのはお前だ.....蝶。」

名前を呼ばれ、隣のやつをにらむ。

「話しかけるなってさっき言った。」

「お前の言う事を聞く必要はない。」

「......っ......」

だんだん自分でも分かるくらい、眉間にしわが寄っているのが分かる。

.......どうして.....あたしはこいつと.....。

「.....あんたと幼馴染みなんて本当に最悪。あんたがこの世で一番嫌い。大嫌い。.....
夜なんか...大っ嫌い。」