大嫌いで大好きな幼馴染み

そしてもう用は済んだとでもいうように帰ろうとする。.......が。

「待てよ。プリントの件は仕方ないからそれでいいとして。......お前の腕にしがみついている蝶はどうしたんだ??」

.......誰が見てもあたしの今の状態は気にするわけで。

先生はあたしを見ながらそう言った。

とりあえず職員室の電気がついているため顔を上げるぶんには問題ない。....ただ、夜の腕にはきちんとしがみついたまま。

あたしは先生の質問に対して答えようとした。

「........あたし、実は.....」

"暗いところが嫌いなの"そう言おうと言葉を繋げようとしたら....

「蝶は暗いところが嫌いなんだ。だから俺が迎えに来た。」

夜があたしより先にそう説明していた。

「.......暗いところが嫌いなのか??蝶。」

「嫌い。」

はっきりと先生の顔を見て言う。

「そうだったのか......。知らなかったとは言え、俺のせいだな。」

先生はそう言ったあとあたしの方に手を伸ばしてくる。