大嫌いで大好きな幼馴染み

そしたらいきなり、夜が席から立ち上がった。

「......手離せ。」

誰が見ても分かるくらい.....夜は怒っていた。

でもあたしはそんなのお構いなしに言った。

「離さなーーー....」

「お前は俺に”帰ればいい”って言った。だから俺は帰る。」

「.......っ......」

それを言ったのは事実だが中々手を離すことが出来ない。

「蝶。」

自分の言った事にウソをつきたくないから意を決して手を離そうとする。

「......離すから.....。」

あたしはゆっくり、ゆっくり手を離していく。

そして反対側の手をのばしカーテンを強くつかむ。

夜は手が離された同時に教室の入り口へと向かって歩いて行く。

「電気は消さないで。.....お願いだから。」