大嫌いで大好きな幼馴染み

そんなの......絶対にないのに。

なんで.......

「.......嫌いなのに.....??」

どうして嫌いな相手の事を心配する必要があるの。

迎えに来る必要もないのに.....。

本当に.....分からない。

「あぁ。嫌いでもだ。.......でも、幼馴染みって言う関係じゃなかったら来なかったかもな。」

........そうだった。

夜はこんな男だった。

どんなに相手を嫌いでも”幼馴染みだから”という言葉に縛られる。

だけど、そんなの....

「あたしはあんたと幼馴染みなんかじゃない。家が隣で。両親同士が仲良くて。でもあたしにとって夜は.....顔見知り程度にしか思ってない。」

はっきりと聞こえる声でそう言った。

これがあたしの思ってる本当の気持ち。

幼馴染みなんて......いない。