大嫌いで大好きな幼馴染み

「........携帯どこだ。」

「........ポケット....」

あたしがそう言うと制服のポケットから携帯を取り出す。

そしてあたしの手を握っていない方の手で器用に打っていく。

「いいか。もう絶対消すなよ。つーかもう消せないようにロックかけたから。」

どこまで自分勝手なんだと思いつつもあたしはうなずく。

「.....ん.....分かった......消さない.....。」

”ほら、立てるか。”さっきよりだいぶ落ち着きを取り戻したあたしは夜に支えられて、ようやく立つことが出来た。

「.......今回に限ってプリントか。」

先ほどやっていたプリントを見て夜は言う。

何せいつもは先生の説教で終わるため。

だから、居残りでプリントを渡されたのは今回が初めて。

夜はいつも部活で帰りが遅くなることがあるため、あたしが先生に怒られているのを知っている。

だからそんな事を言ったのだと思った。

「.......あとどれくらい残ってるんだ。」