大嫌いで大好きな幼馴染み

「離れないでっ....どこにも行かないで....っ....夜....っ」

そう言って、あたしはつかんでいる手をさらに強めて離さないようにする。

「......カーテン閉めるだけだから。」

夜はあたしの手を握ってくれてすぐさまカーテンを閉める。

「ま、ど....も閉め....て。」

窓も閉めてほしいと言ったあたしに、夜はまたカーテンを開け直し窓も閉めてくれた。

そしてあたしの目の前に座ったかと思ったら、顔を上げられてしまう。

「....ヒック....っ......ヒック....」

もちろん泣き顔は見られるわけで。

それでも構わず夜の顔を見つめ、手を握ったままにする。

「蝶。そんなに怖いなら俺に電話すればよかっただろ。」

夜はそう言いながら流れる涙を拭ってくれる。

「.......っ......ヒック.....夜......の、ばん......ごう......しら......な、い........ヒック...っ」

「はぁー.......まさか消したのか。」

あたしはその言葉にコクンとうなずく。