夜があまりにもそうはっきりと言うものだから一瞬ひるんでしまう。が、そんなのおかまいなしに言葉を並べた。

「.......そんなの当たり前でしょ。何のためにあたしが夜と残ったのか意味ないじゃん。”残るなら夜と一緒がいい。”って。それにはもちろん”帰りも一緒”ってのが筋ってもんでしょう。」

「俺を一人で置いて行くのは問題ないって言うのか。」

「夜は暗くても一人で帰れるじゃん。でもあたしは一人じゃ帰れない。」

そんな事を言いながら、お互いの顔も見ずに歩く。

そもそもちょっとした事ですぐ居残りなんてさせるあの先生のせいなんだけど。

もうこの際、全部あの先生のせいにしようと一人で納得をする。

あたしが今日くるみと杏と一緒に帰れないのも、夜と一緒に残されるのも全部先生のせいだ.....。

そんな事を一人で思いながら再び黙ってしまった夜の背中をずっと見つめていた。


「..........何この量。」

教室に着いて発したあたしの第一声。

自分の机の上に資料が乗っているのだが、その量がとんでもないくらい多かった。

その隣の机の上にも同じ資料が乗せられているのだろうがあきらかに量が違う。

.......夜の方があたしのよりも圧倒的に少なかった。

「だから言っただろ。早く来いって。」