大嫌いで大好きな幼馴染み

なぜかあたしは夜の腕の中にいた。

......夜に抱きしめられているのだ。

......何?何で.....何で夜の腕の中にいるの.....あたし....。

いつものあたしならすぐに離れてもらうために体を押し返したりするのに、この時ばかりはどうする事も出来ずただただされるがままだった。

だけこの状況に耐えきれないあたしは夜に声をかけていた。

「夜.....?そんなに心配しなくてもすぐ教室に行ったのに。わざわざ来なくてもよかったんだけど。」

「.........」

あたしがそう声をかけても夜は一言も喋らず、代わりに抱きしめる力を少しだけ強くなる。

「.........」

あたしはそれ以上何も言わず、そのまま自分の腕を動かし......抱きしめ返した。

夜の体温をこんなに近くで感じるのはいつぶりだろう.....。

ものすごく懐かしい感じがしてずっとこのままでいたくなってしまう。

.......あぁ。そうだった。.....思い出した。

夜がこうしてあたしを抱きしめるのはいつも......あたしが泣いていた時だ。

幼い頃、転んでケガをしたときに泣いていたあたしをよく夜は抱きしめていた。