はっとして目を覚ました。


目に飛び込んできたのは蛍光灯の明かり。


異様に眩しく感じる。


「ここは……」


「あら、気が付いたのね。よかったわ」


すぐ近くから声が聞こえ、首だけで振り向くと、そこにはナース服を着た女性の姿があった。


「あの、ここはどこですか────痛っ」


起きあがろうとすると、体中に痛みが走った。


「急に動いちゃだめですよ。ここは病院です」


「びょう、いん?」


どうして、そんなところに……。


言われて、ゆっくりと見回して見ると、ベッドの横にはテレビで見たことがある数字の映った医療機器が置いてあり、私の手からは透明なチューブが伸びていて上の方で液体の入った真空パックと繋がっている。


女性は看護士さんのようだし、確かにここは病院のようだ。


でも私は……、ただの夏風邪で、学校の保健室で眠っていたはずで、それから……。


「あっ!」


すぐに、すべての記憶が蘇ってきた。