「先輩!」


「……大丈夫、かすっただけだ」


そう言って、先輩はすぐさま立ち上がる。


だけど……全然大丈夫なんかじゃない。


ふらついてるし、その肩と額からは血がポタポタとこぼれ落ちていた。


「撃たれてるじゃないですか!」


私が叫ぶと先輩は、「フッ」と、あの不器用な笑みを見せて、撃った男に向き直る。


「く、くるなあああ! ば、化け物めえええっ!」


男が、先輩に銃口を向ける。


そんな!





────ダメ! 


いやだ! 柏木先輩が────────死。