「あー!もうむかつくっ!」
瑠那は家に聞こえないくらいの大きさで
叫び声を上げ、
長い草の上にある両手くらいの大きさの石ころを転がした。


「なにこれ?」

思いの外、力なく転がった石の下に
何か光るものが隠れているのに気づいた。



手にとって見てみると
中央に宝石が埋め込まれた
指輪だった。
宝石は丸く月のような白銀色をしていた。
そして、宝石を包むアンティークな飾り細工は、
黒と紫と灰色が混じった色で
月の周りにある雲のようだった。



「きれー」


瑠那は、無意識に
指輪をつけた。