「ほらよ」


湯気が立つホットココアを
瑠奈に差し出した。

ありがとうと受け取って一口飲むと
口の中に甘い味が広がった。

「美味しい!」
「それは良かった。」

感嘆の声に青年は満足そうに
くしゃりとした笑みを浮かべる。





……あの後、

ここで話すのもなんだし、
この森は良くない輩が
たくさんいるからと言って、
青年に連れられた場所は、
小さな木造りの小屋だった。

と言っても、
ベットや台所などの
日常に必要なものは
一通りは揃えられていた。