つい二時間前のことだった。

お盆休みになった父親が、
急に庭掃除をやる言い出したのは。




だけど、弟と母は風邪で、
姉は浪人生。

必然的に高校1年生の瑠奈が手伝わされる羽目になったのだ。


確かに芝生が生えるべきでない場所にも生えていたし、


母の趣味で植えたミニ薔薇は化け物と化していた上、


玄関の横にある柊は身長158センチの私よりも背が高くなっていた。



それでも、
他3人が動けない今に、
やらなくってもいいのに!

それなら、家事をやってくれた方がよほどいいのに!

瑠奈は密かに毒づいたが
そんな小言をあの人が聞くはずもない


父親はあれやこれやと自分の切りたいところだけ切って

散々、地面に葉っぱや枝を散らかしたあげく


暑さにやられて胸が痛むといって
無責任にも、
クーラーの効いた部屋に帰ってしまったのだ。