クレームの女王

「ゆ………………祐樹……」


かすれた声で麗華はつぶやく。



「祐樹は…賢い子。
私の中の妖怪を退治してくれた勇気のある子。



私は世界で一番……………祐樹が……だいすきよ」



やがて救急車がサイレンを鳴らしてやってきた。


車をかき分けて急停車した救急車の中から
担架を持ってやってきた救急隊員。



やがて麗華の様子を見て脈をとった隊員は
無言で首を横に振った。