「あ、ごめん……起きたみたい。じゃあね……」 「え?」 茶碗子はシャンプーが洗い流される様に一瞬で消えて行った。 元の自分自身の左上腕二頭筋が現れた。 スープが左上腕二頭筋に注がれる。 スープは儚く腕を伝いボタボタと床に溢れて行った。 「……」 箸矢は茫然と左上腕二頭筋を見つめていた。 一秒前までそこに居た愛する女が消えてしまった。 この腕に住み着いているという非現実的な出来事をようやく現実として受け止めた矢先の出来事である。 辛い。 「茶碗子……」