「これは夢なんだ。夢なんだ」 箸矢はそう呟いた。 呟けてしまった。 「これは夢なんだ」と呟けてしまったという事は今この瞬間は夢でないという事である証拠。 箸矢はこの持論を頑に信じている。 何故なら死んだ母親の数少ない教えの一つだったからだ。