教室を出る時には左上腕二頭筋に宿る茶碗子の姿は消えていた。 箸矢涼はクラスの誰よりも速く教室を飛び出しながらそれを感じていた。 もう普通の自分の左上腕二頭筋だ。 もう茶碗子は自分の左上腕二頭筋に居ない。 一体なんなんだろうか? 確実な事は今この瞬間は夢ではないという事だ。