「お母さんー!ただいまあー!お母さんー!」 「喜びな。今日はカレーよ」 母親が小躍りしながらやって来た。 右手にはおよそ流行ものとは呼べない口紅を持っていた。 「ヤッター!って……オイッ!」 「カツは無いよ。嬉しいでしょ?」 「……カツが無いんじゃなくてカネが無いんだろ」 「え?」 「いや」 「ん?」 「ごめん」