ただ……、おれがあの日母親だと思って美羽のうちへ電話をかけたことは話せていない。


美羽も、聞いてこないから。




「ねぇねぇ蓮くん。
わたしね、前から聞きたいことがあったんだけど」

「ん? なに?」

「……蓮くん、好きな子いるの?」



一瞬躊躇して、でもすぐに真っ直ぐと聞いてきた美羽の声に、思わずスマホを落としそうになった。



まさかの恋ばな……!



いままでそういう系はノータッチだったから完璧に油断してた……!



「え、えーっと……」

「え! その反応は……いる、の?」

「…………」



ぐぅ、と押し黙るおれ。


そんなの言えるわけがない。



確かに好きな子はいる。

っていうか気になってる子。



……だけど、その相手が……

顔も知らない、声だけの繋がりの女の子とか。


しかも知り合えたのは偶然だとか。



言えるわけがない‼︎‼︎