ほおを真っ赤にした美羽は、想像のなかのそれより、ずっと……可愛くて。
「……おれも美羽のこと、好きになっちゃってんだよ」
美羽の肩に額を乗せるようにして、そっと抱き寄せる。
「蓮、くん」
耳に、直接流れ込む美羽の声は、想像していたものよりもずっとなめらかで。
「……美羽、好き」
「……ふっ……う……、ぅえ……」
「なんで泣くの」
「……蓮くんがっ、好きだから……」
「……うん」
さらさらの髪をすいてやると、やっと、美羽の手がおれの背中に回って。
夕暮れ時の、人通りのない公園はなかなかロマンチックな雰囲気で。
おれはそっと、美羽の耳にキスをした。
ずっと思ってたことだけど、あの日母さんじゃなくて、
美羽につながって……よかった。
なんて、いつか伝えようと思った。
「……電話、待ってる」
「……もう直接会える、のに?」
「電話のほうが、美羽の声がより近くで聞けるから」
「……蓮くんって思ってたよりもキザ」
Fin(Call me)