「ごめんね、お母さんのことずっと秘密にして。

蓮くんは、なにもしらないみたいだったから……わたしから言っていいことなのかわからなかったの」

「……うん」

「それと、わたしは前から……蓮くんのこと知ってたの」

「う、ん?」

「蓮くん、かっこいいから……うちの学校の子にも人気あって。
友達と学校に蓮くんのこと見に行ったことがあったの。

そしたら次の日に電話がかかってきて……話してみたいって思っちゃって。
そのときは、興味本位でしかなかったの……ごめんなさい。

だけど、話してるうちに……


好きになっちゃって」


ごめんなさい。 本当のこと言ったら嫌われちゃうって思ったら、言えなくなっちゃって。 ずるいよね。 ごめんなさい。



そんなふうに繰り返す、美羽の瞳からぱたぱたと涙が落ちて。


アスファルトが雨に濡れたみたいに染まった。