美羽の声は留守電に入っていたものとは違って、泣きそうに震えていて。
「美羽、……どこからどこまでが、うそだった?」
「…………まず、最初。
蓮くんの名前を聞いたときに、わかったの。 お母さんの言ってた子だって……。
知ってたの、初めから。
蓮くんはお母さんの子供だって。
お母さんは離婚したことがあることとか、子供がいることとか、わたしに話してくれたことがあったから……」
「…………」
心がそっと静かに動揺した。
知ってた。全部、最初から。
「それから……病気のこと。
病気で学校に行けてなかったのは小学校のころまでの話で……。
いまは普通に、行けてるの」
顔から手を離して、でも俯いているから顔は見えなくて。
離した手でひらりと見せる、身にまとったセーラー服。