「私だって恋する女だしドキドキしてるし皐の笑顔見る度に胸がぎゅーんってなってる」
伝わってないとかショックだよ、そう言って笑った。ほんのちょっぴりだけど。
ていうか先輩胸ぎゅーんって何、可愛いし可愛過ぎるし。
伝わってないのは先輩のそのポーカーフェイスのせいだと思うけど、それ聞けたんだしもう何だっていいとか思う俺ほんと重症。
「先輩…それ反則だし」
「仔犬…みたいだな」
しゃがみ込んで髪をくしゃくしゃさせる俺と同じ目線になって率直な感想を洩らす先輩。
することがないのか俺の髪を引っ張ったり逆毛立てたり…あれ先輩意外とお茶目?
頭を上げてそれを確認して見ると…
「やっと…顔見たな」
柔い笑みを浮かべた先輩が嬉しそうに笑うから俺の方が心臓持ってかれた。
これが先輩の言うずきゅーんなら俺耐えられない。
「先輩やっぱりデレるの…もう少し待って下さい」
自分から先輩のデレが見たいとか言っときながら何とも情けないけど先輩は
「うん。分かったよデレデレ君」
俺の頭をくしゃくしゃ撫でながら満足そうに頷いた。
先輩はまだまだデレを解放することはない。
ていうかデレデレ君って絶対先輩楽しんでますね。
完