そして、夏祭り当日。
いつもの公園で、大悟を待つ。
「あっ!!来た!!」
待っていると、大悟がやってきた。
「「おはよう!!」」
大悟と声が重なった。
私達は、顔を見合わせて、クスクスと笑った。
ああ、つくづく私は幸せ者だと思う。
こんな時間がずっと続けばいいのになぁ。
そう思いながら、私達は、会場に行く。
「えっと、向こうに着いたら、着替えて、台本を流し読みして、お昼食べて、本番か。」
「そうだね。」
会場に向かいながら、大悟と一緒に今日の一日の流れを確認する。
何気に大悟の浴衣って、初めてかも。夏祭りで見かけても、私服。だったもんね。まぁ、私もだけど。
かっこいいだろうなぁ。
わ!!私ってば、何てこと!!
そう言って、一人で、思っていた時だった。
「ねぇ、加藤の浴衣って、どんなの??」
大悟が聞いてきた。
「うーんっとね、赤とピンクとかの??ごめんね。説明下手くそで。」
「ううん。じゃあ、楽しみにしてる!!赤とピンクかぁ。」
そんな女の子らしい服装、私に似合うはずがない。そう思っていた時だった。
「可愛いだろうなぁ。」
大悟が言った。
「え??なんて??」
可愛いって、いった??ううん。いくら、大悟でも、そんなこというはずがない。
「え??おれなんか言った??まじで!?うん、えっと、似合うだろうなぁ。って」
大悟が、赤くなっていた。暑いのかな?
ん??ちょっと待って、
「今なんて??」
もう一度、聞く。聞き間違いに決まってる。
「え??だから、か、じゃなくて、似合うだろうなぁって。」
私、やっぱり、耳鼻科行った方がいいかも。
もう、大悟が好きすぎて、耳までおかしい。
でも、一応聞く。
「ねぇ、もしかして、似合うって言った??」
おそるおそる聞いてみる。
「うん。」
そういいながら、首を縦に振る大悟。
「え??何で??」
とうとう、目までおかしくなったらしい。
「え??だって、色が加藤らしいっていうか、似合いそうだから。」
あれ??
「一応聞くけど、今、目の前に見えてる人は、加藤春香ですか??」
「うん。そうですけど??」
と笑いながら、答えてくれた。
「じゃあ、私の目の前にいるのは??」
聞いてみた。
「吉田 大悟。
俺だけど、加藤は俺を他の男子と間違えてるの??」
そう言って、怒ってるふりをした。
「ううん。だって、大悟の言ってる意味がわかんないんだもん。」
「え??似合うって言ったやつ??」
こくりと頷いた。
「似合うって、俺の思っている意味の他になんか、意味あったっけ??」
「ううん。でも、私に似合うわけないじゃんって。」
「何言ってるの??」
大悟がいった。
「だって、そんなの、他の人に言われたことない。ただ、珍しいねって言われるだけだった。」
そう。でも、そう言われるのは、私が着て行っていることを、皆がしらないだけ。
「うっそ。結構着てるじゃん。それに、そんなん、他のやつが言うことで、俺はそんなこと言おうとする気なんかないし。」
そうだね。大悟は、そういうと人だった。いつでも、優しくしてくれる。私は、いつもその優しさに甘えてしまう。
「いつも、ありがとう。」
そう言ったら、
「??何で??」
「いつも、そうやって優しくしてくれるから。」
「俺は、いつも、普通だよ。」
そう言ってくれる大悟はやっぱり、優しい。
大悟と会うたびに、大悟のことがわかって、好きになる。
会場に、着いて、着替える。
はぁ、つくづく、似合わないなぁ。嫌になる。
「はぁ〜。」
思わず、ため息が出た。
「どうしたの春ちゃん??」
おばさんが、心配してくれた。
「うん。なんか、緊張しちゃって。」
うん。確かに嘘ではない。ある意味ね。そう思っていたら、いつの間にか、着替えが終わって、思い足を、外に出した。
すでに、大悟は着替え終わっていた。
「かっこいい!!」
思わず、声に出た。
「何言ってるの??春ちゃんんも、可愛いでしょ??」
後ろにいた、おばさんが、言ってくれた。
「もう。そんなの、大悟に言わせないであげてよ。かわいそうだよ。」
何よりも、お世辞だとしても、私の心臓が持たない。
「うん。可愛いっ...。」
そんなことを、言い慣れてない大悟に言わせたおばさんが、悪い。まぁ、気を使わせた、私もだけど。でも、嬉しいかも。
「ごめんね〜。おばさんったら、夏祭りが楽しみで、テンションMAXならしいの。」
本当に申し訳ない。
「いや。別に、おばさんに、言わされたわけじゃないし。」
そう言って、顔を赤くした。
無理しなくていいのに。
とりあえず、話題を変える。
「さて、練習〜練習〜!!」
それから、10分ぐらい、私達は、台本の流し読みをした。
「はぁ〜。とりあえず、お昼食べよっか!!」
そう言って、大悟は、スタッフ用のお弁当を持ってきてくれた。
「ありがと。」
こんな、小さなことでも嬉しい。
「「いただきます!!」」
おばさんが作るだけあって、やっぱりおいしい。
「美味しい〜!!」
そういいながら、食べた。
クスッ。
大悟だ。
うわ!!恥ずかし〜!!
そう思っていると、
「美味しそうに食べるね。」
そう言ってくれた。
「だって、美味しいから...。」
消えそうな声。自分でも思った。
「そうだね!!」
あぁ。優しい、大悟に本当に感謝する。
ちょうど、食べ終わったところに、
「そろそろ、始まるよ〜。」
声がかかった。
「緊張する〜!!」
そう言って、準備すると、
「うん!!頑張ろ!!」
そう言ってくれた。
そして、お客さんが、ガヤガヤとやって来た。
舞台の司会もあと少し。
スタッフの合図で、夏祭りのスタッフ全員でクラッカーを鳴らす。
「皆さんこんにちは〜!!第22回、夏祭りを始めまーす!!」
そう言って、ステージのライトがつく。
「あ!!班長だ!!」
一年生の男の子が、手をふる。かわいいなぁ。
「さて、まずは、東泉丘小学校、2年生の、かわいいかわいい、演奏です。2年生のこが、初めて習った、鍵盤ハーモニカ。楽しんで下さい!!」
その、大悟の合図で、2年生の演奏がはじまる。
その次は、大人の方達の演奏、マジックショー、ちょっとしたサーカスや、漫才。
そんな調子で、夏祭りの、舞台は無事に終わり、ひとまず安心。
ビンゴまで、少し時間があるので、インタビュー。
いろんな人に助けてもらって、なんとか、無事に夏祭り終了!!
「疲れたけど、楽しかったね!!」
そういいながら、大悟と一緒に帰っていた。
「うん!!今年の夏休みは特別だね!!今年は6年生だから、たくさんこういう事があるのかな??」
そう言って私は、夏祭りが終わったばかりなのに、ウキウキしていた。
「これからも、こういう思い出増やしていけるといいね。」
「うん!!」
夏祭りは終わったけど、まだ、地区の新聞を作るから、夏休み中も、大悟と会える。そんなことも、私にとって今年の特別な行事だ。

