「この煙は……毒?」

 音那が、そう言ったときには時すでに遅し。
 万桜たちは、その毒で体を自由に動かすことが出来なくなる。
 だが、意識はある。

「あら?ここで殺せば今後の戦闘が楽になるのではなくて?」

 マスティマがそう言うと扇を口元に当てる。

「それは面白く無い」

 ベルゼブブがそう言うと白銀が言葉を挟む。

「面白い面白くないで戦争は決まらないと思うけど……
 僕は上司の意見にしたがうまでさ……」

 そう言って姿を消した。

「きゃは!殺すならじわじわなぶり殺したいものね!
 今度こそ貴方たちを釘付けの釘まみれにしてあげる!」

 クレイジーが、そう言って去った。

「それもそうじゃのぅ。
 一花、今度こそ決着をつけるぞよ!」

 マスティマもそう言ってさり、いずみは無言で去った。

「では、今度は全力で勝負させてもらおう」

 ベルゼブブが去る。
 そして、他のフェアリーたちも姿を消しフィサフィーのみが残る。

「ふぉふぉふぉふぉふぉ。
 この毒は、暫く残るじゃろう。
 じゃがなに、死にはせぬ。
 安心するがよい。
 そして、この敗北を見に占め我らテオスに降伏することを祈る」

 フィサフィーは、そう言って笑いながらその場を去った。