魔王の娘が勇者になりたいって変ですか?

 ゼンが、振り返ろうとしたときモルテによってガー・ゾンボルトの左腕も切断される。

「天使族最強の硬度を持ったこの機体を切断するだと……!?」

 ゼンが、そう言ってモルテを睨む。
 そして、いずみは言う。

「さぁ、降伏しなさい!
 降伏すれば命は――」

 いずみが、そこまで言いかけたときクレイジーの笑い声とともにガー・ゾンボルトに釘の群れが襲う。

「あら?
 本当に硬いのね。
 私の傷じゃ、ダメージを与えれてないわ!」

 クレイジーが、そう言って釘を打ち続ける。

「く……
 塵も積もればなんとやらか……」

 ゼンがうなる。

「きゃは!
 でも、このまま死んじゃえ!」

 クレイジー・アーマがそう言って釘を撃とうとしたとき、ティーセットがその腕を炎の剣で焼き斬り落とす。

「藁だからよく燃えるね」

 丹歌が、そう言って笑う。

「魔界の藁さえも焼くのね!
 流石は、伝説の三剣!」

 クレイジーは、そう言ってティーセットの方を見て笑う。
 そして、すぐに斬られた腕は再生される。

「再生した……?」

 丹歌が、驚いているとバルドが喝を入れる。

「小僧!戦場にてその迷いは命取りになるぞ!」

 バルドがそう言うとプレゲトンが丹歌の頭を踏む。

「そうよ!
 油断すると死んじゃうんだからね!
 私まで巻き込まないでよ?
 ゼン、アンタは一旦撤退して……!
 両腕がない状態では、ここでは……」

 プレゲトンが、そう言うとゼンがうなずく。

「すまない……」

 ゼンは誤るとパンドラ艦へと戻っていった。