「それはそれはよかったです」

 マスターが、ニッコリと笑う。

「とりあえず万桜よ。
 この後の予定とか決めているのか?」

 かみさまが、万桜に尋ねる。

「特に考えてないわ……
 ってか、寝泊まりする場所さえもわかんない」

 万桜が、そう言うとかみさまが顎に手を当てて少し考える。

「うむ。
 では、まずは余たちが住んでいる宿舎に案内するか」

「宿舎?」

 万桜が首を傾げる。

「ああ。
 兵が寝泊まりする……マンションみたいなものだな」

「そっかー
 そんなのがあるのね」

「ああ。
 あとはショッピングモールに商店街もある。
 娯楽施設も沢山ある。
 まぁ、大阪の状況から考えて主の家も崩壊しているのではないのか?」

 かみさまが、そう言うと万桜が目を丸くさせる。

「そうだった!
 お気に入りの服とかも燃えちゃっているよね、多分……」

「残念だが、絶望的だな」

 かみさまが、そう言うと万桜がため息をつく。

「あーあー。
 予約して作ってもらった服もあるんだよね……
 と言うか通帳もカードも燃えちゃった?
 ここでの暮らしはどうしよう!」

 万桜が、慌てる。

「カードと通帳の心配はしなくてもいい。
 パンドラ艦でも銀行はあるしATMも沢山ある。
 地球の銀行ならパンドラ艦で再発行できるだろう」

「パンドラ艦凄いわね……」

「移動要塞と言ってもほぼ街だからな」

「そう……街なんだ?」

「ああ。
 少し休憩したら色々案内してやろう」

「あ、私。
 病院に行きたい」

「む?どこか悪いのか?」

「そうじゃなく、焔くんとシエラちゃんのお見舞い」

 万桜が、そういうとかみさまはうなずく。

「了解だ。
 面会時間もあるからな。
 これが終わったら向かおう」

「うん!
 ありがとうかみさま!」

「うむ!
 お安いご用だ!」

 かみさまは、ニッコリと笑った。