ネックレスを箱からだして眺めてみる。
ドロップ型の透明で輝く石と華奢な銀細工が組み合わされた可愛らしいデザインだった。
「アンティークジュエリーなんだ。遥に似合うと思って」
「ありがとう。嬉しい」
私はニッコリと満面の笑みを浮かべる。一目見てすっかり気に入ってしまった。
「これで、仲直り出来るかな」
葛城は珍しく自信なさそうに私の顔色を伺う。
「ありがとう、貴方。すっかり気に入ったわ」
私が上機嫌になったので「それはよかったよ、奥さん」と言って、葛城ホッとしたように頬を緩める。
「付けてあげる」
葛城は立ち上がって私の後ろに回り込む。
そっとうなじにかかった髪を持ち上げるとぎこちない手つきでネックレスを付けてくれた。
壁に掛かった鏡の前でネックレスを付けた姿を見てみる。胸元でさり気なく輝いてとても素敵だった。
自分で言うのもなんだけど、とってもよく似合っている。
「ねえ、これって何の石?とっても綺麗ね」私は何の気なしに尋ねる。
「ダイヤだよ」葛城も何の気なしに答えた。
「ふーん、やっぱりダイヤモンドって素敵ね…ってダイヤなの?!」
素で一人ノリ突っ込みをしてしまう。
「じゃあ、すっごく高かったんじゃない?!」
「…安物だよ」
絶対、嘘。「いくらだったの?教えなさいよ!」私はムキになって尋ねる。
「いいじゃないか。野暮なことは聞くなよ」
あまりに私がしつこいので葛城はちょっとムッとしてる。だからガキだって言われるんだ、という心の声が再び聞こえた気がして私はグッと黙り込む。
『大事にされたいでしょう、遥ちん』師匠の声がフト脳裏に浮かぶ。
「ありがとう、大切にするね?」
私は葛城の裾をギュッと握り、上目でチラリと見上げた。
「じゃあ、さ、遥お礼にキスして?」葛城が無邪気に言ったので「は?」と思わず聞き返す。
「だからキスだよ」
葛城は私を追い詰めるときに見せる例の底意地の悪い笑みを浮かべる。
ドロップ型の透明で輝く石と華奢な銀細工が組み合わされた可愛らしいデザインだった。
「アンティークジュエリーなんだ。遥に似合うと思って」
「ありがとう。嬉しい」
私はニッコリと満面の笑みを浮かべる。一目見てすっかり気に入ってしまった。
「これで、仲直り出来るかな」
葛城は珍しく自信なさそうに私の顔色を伺う。
「ありがとう、貴方。すっかり気に入ったわ」
私が上機嫌になったので「それはよかったよ、奥さん」と言って、葛城ホッとしたように頬を緩める。
「付けてあげる」
葛城は立ち上がって私の後ろに回り込む。
そっとうなじにかかった髪を持ち上げるとぎこちない手つきでネックレスを付けてくれた。
壁に掛かった鏡の前でネックレスを付けた姿を見てみる。胸元でさり気なく輝いてとても素敵だった。
自分で言うのもなんだけど、とってもよく似合っている。
「ねえ、これって何の石?とっても綺麗ね」私は何の気なしに尋ねる。
「ダイヤだよ」葛城も何の気なしに答えた。
「ふーん、やっぱりダイヤモンドって素敵ね…ってダイヤなの?!」
素で一人ノリ突っ込みをしてしまう。
「じゃあ、すっごく高かったんじゃない?!」
「…安物だよ」
絶対、嘘。「いくらだったの?教えなさいよ!」私はムキになって尋ねる。
「いいじゃないか。野暮なことは聞くなよ」
あまりに私がしつこいので葛城はちょっとムッとしてる。だからガキだって言われるんだ、という心の声が再び聞こえた気がして私はグッと黙り込む。
『大事にされたいでしょう、遥ちん』師匠の声がフト脳裏に浮かぶ。
「ありがとう、大切にするね?」
私は葛城の裾をギュッと握り、上目でチラリと見上げた。
「じゃあ、さ、遥お礼にキスして?」葛城が無邪気に言ったので「は?」と思わず聞き返す。
「だからキスだよ」
葛城は私を追い詰めるときに見せる例の底意地の悪い笑みを浮かべる。

