「私は、我が家に嫁いでもらうのであれば、大学に行かず高校卒業後にはうちに来てもらって色々家の事を覚えてもらおうと考えていたんだ」
そうだったんですか、と私は掠れた声で呟く。
「だけど匠が反対したんだ。今時、大学くらい出ておいた方がいいから遥さんの学費を自分が出す、と言って聞かなくてね」
「でも、匠さんは学生なのによくそんなお金がありましたね」
何百万という金額を婚約者とはいえ、見ず知らずの人のためにポン!と支払うなんて普通の大学生が出来る事じゃない。
私のように、小学校からお年玉を貯めていたのだろうか。きっと御曹司だから沢山貰っているはずだ。
「匠は、昔っから投資に興味があったようだ」
「投資…って株とかそういうヤツですか?」私の問いに葛城父はこっくりうなずく。
「お金に目がないのよ、あの子」葛城母は呆れたように溜息をつく。
じゃ、何?高校時代、東栄大学に入るために私は勉強漬けの日々を送っていたというのに、葛城は株やFXなんかで着々と財をなしていたと言う事?!
なんて可愛気のない高校生だろう。改めて嫌味な男だと思った。
「まぁ、学費を負担したのは本当に遥さんの為なのか、疑わしいとこではあるけどね」
葛城父もソファの肘置きにもたれかかり、思惑ありげにスッと目を細める。なんだか思う所があるらしい。
そうだったんですか、と私は掠れた声で呟く。
「だけど匠が反対したんだ。今時、大学くらい出ておいた方がいいから遥さんの学費を自分が出す、と言って聞かなくてね」
「でも、匠さんは学生なのによくそんなお金がありましたね」
何百万という金額を婚約者とはいえ、見ず知らずの人のためにポン!と支払うなんて普通の大学生が出来る事じゃない。
私のように、小学校からお年玉を貯めていたのだろうか。きっと御曹司だから沢山貰っているはずだ。
「匠は、昔っから投資に興味があったようだ」
「投資…って株とかそういうヤツですか?」私の問いに葛城父はこっくりうなずく。
「お金に目がないのよ、あの子」葛城母は呆れたように溜息をつく。
じゃ、何?高校時代、東栄大学に入るために私は勉強漬けの日々を送っていたというのに、葛城は株やFXなんかで着々と財をなしていたと言う事?!
なんて可愛気のない高校生だろう。改めて嫌味な男だと思った。
「まぁ、学費を負担したのは本当に遥さんの為なのか、疑わしいとこではあるけどね」
葛城父もソファの肘置きにもたれかかり、思惑ありげにスッと目を細める。なんだか思う所があるらしい。

