「もう信じられない!」
私は怒りながら葛城邸離れまでの坂道ををグングン歩いて行く。
「なんでそんな怒ってんの」匠さんは呑気な口調で尋ねるのでそれがまた腹正しい。
タクシーが家に着くまで私は怒りのあまり匠さんと口を聞かなかった
「何勝手にカミングアウトしてんのよ!」私は振り返ってキッと匠さんを睨みつけた。
「婚約してるんだから近しい人には事前に話しておいた方がいいでしょ」
「そ、それはそうだけどさ」的を得た意見に私はトーンダウンする。
確かにユミと香織に隠しているのはずっと後ろめたかった。
『なんで隠してたのよー!あんな素敵な婚約者!』って二人には責められたけど、私達の間に壁が出来るなんてとんだ紀憂だった。
『常務の友達紹介してよ』なぁんて言いだす始末だ。
離れに到着すると、慣れた手つきで匠さんが鍵を開ける。
「だけど、総さままでに話さなくてもよかったんじゃないの?!」
「あの男は出来るから」と匠さんが答えると「そこ関係なくない?」と、すかさず突っ込んだ。
私達は家に上がると洗面所へ直行して交代で手を洗う。
「これから総さまは俺の腹心の部下になってもらう予定だからきちんと話したかったんだ」
匠さんは花柄のラブリーなタオルで手を拭きながら言う。
「遥にちょっかい出してつまらないことで揉めるの嫌じゃないか」
私はうがいをしていたので思わずむせてしまった。
ゲホゲホ咳こむ私の背中を優しい常務がさすってくれる。
「んな、総さまが私にちょっかい出す訳ないじゃん」
「遥は鈍いから」匠さんはくいっと片眉をあげる。
私は怒りながら葛城邸離れまでの坂道ををグングン歩いて行く。
「なんでそんな怒ってんの」匠さんは呑気な口調で尋ねるのでそれがまた腹正しい。
タクシーが家に着くまで私は怒りのあまり匠さんと口を聞かなかった
「何勝手にカミングアウトしてんのよ!」私は振り返ってキッと匠さんを睨みつけた。
「婚約してるんだから近しい人には事前に話しておいた方がいいでしょ」
「そ、それはそうだけどさ」的を得た意見に私はトーンダウンする。
確かにユミと香織に隠しているのはずっと後ろめたかった。
『なんで隠してたのよー!あんな素敵な婚約者!』って二人には責められたけど、私達の間に壁が出来るなんてとんだ紀憂だった。
『常務の友達紹介してよ』なぁんて言いだす始末だ。
離れに到着すると、慣れた手つきで匠さんが鍵を開ける。
「だけど、総さままでに話さなくてもよかったんじゃないの?!」
「あの男は出来るから」と匠さんが答えると「そこ関係なくない?」と、すかさず突っ込んだ。
私達は家に上がると洗面所へ直行して交代で手を洗う。
「これから総さまは俺の腹心の部下になってもらう予定だからきちんと話したかったんだ」
匠さんは花柄のラブリーなタオルで手を拭きながら言う。
「遥にちょっかい出してつまらないことで揉めるの嫌じゃないか」
私はうがいをしていたので思わずむせてしまった。
ゲホゲホ咳こむ私の背中を優しい常務がさすってくれる。
「んな、総さまが私にちょっかい出す訳ないじゃん」
「遥は鈍いから」匠さんはくいっと片眉をあげる。

