「はい、小森ちゃんおみやげー」
定時後に残業をしていると、総さまがニッコリ笑顔で箱に入ったパンダの形をしたチョコレートを差し出してきた。
「中国土産ですか?ありがとうございます」と言って、一つ摘まんだ。
「なんか小森ちゃん、雰囲気変わった?」
総さまが私の顔を覗きこむ。
「そうですか?」顔が近いので私は後ずさった。
「なんか、やさぐれ感が抜けて、はんなりした感じ?」
…す、鋭い。
「自分ではよくわかりません」
私は適当に誤魔化してパソコンの方へ視線を向ける。
「もしかして、彼氏と最近会った?」
はい!最近職場も一緒なんで昼も夜もずうっと一緒なんです!…なぁんて口が裂けても言えるわけがない。
「なんすか、それ。セクハラですよ」私はクールに言い放つ。
「そういえば、今週末葛城常務の歓迎会やるんだけど、小森ちゃんも来ない?」
匠さんと一緒に飲み会…考えただけでも面倒くさい。
誰かにお酌をした日には色目を使っただの何だのと後でグチグチ言われるのが目に見えている。
「私は遠慮しておきます。そんな葛城さんとも面識はありませんし」
「ええ?!小森ちゃん正気?!あの葛城常務がくるんだよ?!みんな目の色変えて来たがるっていうのにそんな彼氏が大事なの?!」
「別に彼氏が大事な訳じゃありません。それに今週末は予定があるので」
「それは残念ですね、小森さん」
背後からゆっくり影が迫ってくると、私と総さまの会話に穏やか且つ強引ににカットインしてきた。
「これはこれは葛城常務」
総さまはすかさずパンダチョコレートの箱を差し出した。
定時後に残業をしていると、総さまがニッコリ笑顔で箱に入ったパンダの形をしたチョコレートを差し出してきた。
「中国土産ですか?ありがとうございます」と言って、一つ摘まんだ。
「なんか小森ちゃん、雰囲気変わった?」
総さまが私の顔を覗きこむ。
「そうですか?」顔が近いので私は後ずさった。
「なんか、やさぐれ感が抜けて、はんなりした感じ?」
…す、鋭い。
「自分ではよくわかりません」
私は適当に誤魔化してパソコンの方へ視線を向ける。
「もしかして、彼氏と最近会った?」
はい!最近職場も一緒なんで昼も夜もずうっと一緒なんです!…なぁんて口が裂けても言えるわけがない。
「なんすか、それ。セクハラですよ」私はクールに言い放つ。
「そういえば、今週末葛城常務の歓迎会やるんだけど、小森ちゃんも来ない?」
匠さんと一緒に飲み会…考えただけでも面倒くさい。
誰かにお酌をした日には色目を使っただの何だのと後でグチグチ言われるのが目に見えている。
「私は遠慮しておきます。そんな葛城さんとも面識はありませんし」
「ええ?!小森ちゃん正気?!あの葛城常務がくるんだよ?!みんな目の色変えて来たがるっていうのにそんな彼氏が大事なの?!」
「別に彼氏が大事な訳じゃありません。それに今週末は予定があるので」
「それは残念ですね、小森さん」
背後からゆっくり影が迫ってくると、私と総さまの会話に穏やか且つ強引ににカットインしてきた。
「これはこれは葛城常務」
総さまはすかさずパンダチョコレートの箱を差し出した。

