夜10時を回った頃、玄関のチャイムが鳴る。
私は既にベッドに入っていたので無視した。
今日は混乱していて冷静になれそうもないので、話すなら明日にしてほしい。忙しくて疲れているし。
暫くすると、鍵を開ける音がした。
そういえば匠さんはスペアキーを持っていたのを思い出して舌打ちする。
こちらへと近づいて来る足音がしたので私は隠れるように布団に包まった。
ベッドのすぐ近くで足音は止まる。
「遥」
夢にまで見た懐かしい声に名前を呼ばれ、不本意ながら目頭が熱くなってくる。
「怒ってるの?遥」
私は無視し続けると掛け布団をバサリと捲り上げられた。
「ちょっと!やめてよ!」
私は上半身を起こして布団に手を取り戻そうとするとガッチリ手首を掴まれた。
「ただいま、遥」
匠さんのアーモンドアイが綻び私をジッと見つめる。
私の両目から堰を切ったように涙が溢れ出した。
「何で連絡しないのよ…馬鹿…」
私は手の甲で涙を拭いながら悪態をつく。
「ごめんね、奥さん」
匠さんは私を抱き寄せた。
細かった匠さんの身体は、鍛えたのか以前よりもガッチリとして、たくましくなった気がする。
そんなところも月日の流れを感じさせた。
「遥の驚く顔が見たかったんだよ」
期待通りのリアクションだったな、と言って匠さんは思い出したようにクスクス笑う。
悪趣味なところは相変わらずのようだ。
私は既にベッドに入っていたので無視した。
今日は混乱していて冷静になれそうもないので、話すなら明日にしてほしい。忙しくて疲れているし。
暫くすると、鍵を開ける音がした。
そういえば匠さんはスペアキーを持っていたのを思い出して舌打ちする。
こちらへと近づいて来る足音がしたので私は隠れるように布団に包まった。
ベッドのすぐ近くで足音は止まる。
「遥」
夢にまで見た懐かしい声に名前を呼ばれ、不本意ながら目頭が熱くなってくる。
「怒ってるの?遥」
私は無視し続けると掛け布団をバサリと捲り上げられた。
「ちょっと!やめてよ!」
私は上半身を起こして布団に手を取り戻そうとするとガッチリ手首を掴まれた。
「ただいま、遥」
匠さんのアーモンドアイが綻び私をジッと見つめる。
私の両目から堰を切ったように涙が溢れ出した。
「何で連絡しないのよ…馬鹿…」
私は手の甲で涙を拭いながら悪態をつく。
「ごめんね、奥さん」
匠さんは私を抱き寄せた。
細かった匠さんの身体は、鍛えたのか以前よりもガッチリとして、たくましくなった気がする。
そんなところも月日の流れを感じさせた。
「遥の驚く顔が見たかったんだよ」
期待通りのリアクションだったな、と言って匠さんは思い出したようにクスクス笑う。
悪趣味なところは相変わらずのようだ。

