「後輩の小林と須藤」総さまは後輩たちを紹介してくれる。
小林は髪にパーマを掛けており、須藤は黒いセルフレームのお洒落眼鏡を掛けている。
二人とも同じフロアなので顔見知りではあるが、改めて食事に行くのは初めてだ。
「いやー小森さんと食事に行けるなんて残業してラッキーだなぁ」須藤は早速軽口をたたいてきた。
「飛び入り参加させてもらってすみません」
エレベーターの扉が開き、私は背の高い男性陣に囲まれ話ながらエレベーターへ乗り込んでいく。
「小森ちゃんが誘いに乗ってくれるとは思わなかった」と言いながら総さまは機嫌良く言う。
「私、麺類が大好きなんですよー」私は嬉しくてフフッとつい笑ってしまう。
「金曜の夜に残業ってことは彼氏いないの?」総さまは私の顔を覗きこんで尋ねる。ちょっと顔が近い。
「いますよ」私は即答する。
なんだよそれー、と若手二人がブーイングする。
「アメリカに行ってる彼と遠距離恋愛中って噂は本当だったか」総さまは顎に手をあて苦々しく言う。
「なんで知ってるんですか?!」私はギョッとした表情で聞き返した。
「小森さんと飲みに行きたいってヤツは結構いるんだよ。なんてったって、深窓の令嬢だからね」
須藤が真面目な顔で言うので「何すか、それ」と言って私はアハハーっと笑い飛ばす。
「うちの一般職の女性社員は、ほぼコネ入社じゃない?小森さんもきっとどこかのお嬢様なんだろうってみんな噂してるよ」
小林の話に私はブンブンと首を横に振る。
「うちの父は四葉銀行の支店長なので」
確かにスペシャルコネ入社ではあるけど家柄まで誤解されては困る。
「それになんか小森さんは、ピュアそうというか、純粋そうというか…」須藤は言葉を濁すが「処女っぽいから男がいるとは思わなかったんだろ?」と、総さまがズバリ言ってのけた。
私は社会人になっても、処女じゃなくなっても、未だに「処女っぽい」と言い続けている。
「ッブ…」エレベーターに乗り合わせた男性が私達の会話を聞いて吹き出した。
私は顔を真っ赤にして「ちょっと!」と言って総さまを睨みつけた。
小林は髪にパーマを掛けており、須藤は黒いセルフレームのお洒落眼鏡を掛けている。
二人とも同じフロアなので顔見知りではあるが、改めて食事に行くのは初めてだ。
「いやー小森さんと食事に行けるなんて残業してラッキーだなぁ」須藤は早速軽口をたたいてきた。
「飛び入り参加させてもらってすみません」
エレベーターの扉が開き、私は背の高い男性陣に囲まれ話ながらエレベーターへ乗り込んでいく。
「小森ちゃんが誘いに乗ってくれるとは思わなかった」と言いながら総さまは機嫌良く言う。
「私、麺類が大好きなんですよー」私は嬉しくてフフッとつい笑ってしまう。
「金曜の夜に残業ってことは彼氏いないの?」総さまは私の顔を覗きこんで尋ねる。ちょっと顔が近い。
「いますよ」私は即答する。
なんだよそれー、と若手二人がブーイングする。
「アメリカに行ってる彼と遠距離恋愛中って噂は本当だったか」総さまは顎に手をあて苦々しく言う。
「なんで知ってるんですか?!」私はギョッとした表情で聞き返した。
「小森さんと飲みに行きたいってヤツは結構いるんだよ。なんてったって、深窓の令嬢だからね」
須藤が真面目な顔で言うので「何すか、それ」と言って私はアハハーっと笑い飛ばす。
「うちの一般職の女性社員は、ほぼコネ入社じゃない?小森さんもきっとどこかのお嬢様なんだろうってみんな噂してるよ」
小林の話に私はブンブンと首を横に振る。
「うちの父は四葉銀行の支店長なので」
確かにスペシャルコネ入社ではあるけど家柄まで誤解されては困る。
「それになんか小森さんは、ピュアそうというか、純粋そうというか…」須藤は言葉を濁すが「処女っぽいから男がいるとは思わなかったんだろ?」と、総さまがズバリ言ってのけた。
私は社会人になっても、処女じゃなくなっても、未だに「処女っぽい」と言い続けている。
「ッブ…」エレベーターに乗り合わせた男性が私達の会話を聞いて吹き出した。
私は顔を真っ赤にして「ちょっと!」と言って総さまを睨みつけた。

