ああ…終わらねー…
私はパチパチとパソコンのキーボードを叩く。
時計を見ると、すでに9:00を回っていた。
今日は金曜日なので、フロアの人影も疎らだ。
私は椅子の背もたれに寄りかかってググっと伸びをする。
不意に缶コーヒーがデスクに置かれ驚いて顔を上げると総さまの姿があった。
「ありがとうございます」
「頑張るねー」
「小坂さんも金曜日なのに仕事なんてしてていいんですか?」私はちらりと上目で見上げる。
「そーだよねー」
総さまはふう、と物憂げにため息をつく。
「でも来週から中国に出張だから、今日のうちに資料仕上げないといけなかったんだー」
さすがの総さまもお疲れのようで虚ろな目をしている。
「もうそろそろ上がりなよ。女子を1人残す訳にはいかないから、小森ちゃんがいたら皆帰れないよ」
皆そんな事気にしてくれてたのか。
気づけばハゲの斉藤さんも残っている。
自分の振った仕事で私が残業してるから帰るに帰れないのかもしれない。
まあ、其れは当然だけど。
「そうですよね、すみません」私はシュンと肩を落とす。
「で、何が終わらないの?」
総さまがパソコンを覗き混むとふんわりコロンの香りがする。
「契約書の和訳です… 」
「何これ。頼んだやつ鬼だね。金払って業者にやらせりゃいいのに」総さまは片眉を上げる。
「もう出来ませーん!って泣いちゃえば?」
「そんなん自分が馬鹿だって言ってるようなもんじゃないすか」
私はフンと鼻で笑い、缶コーヒーのプルタブを開ける。
その様子を見て、総さまはニヤリと笑った。
私はパチパチとパソコンのキーボードを叩く。
時計を見ると、すでに9:00を回っていた。
今日は金曜日なので、フロアの人影も疎らだ。
私は椅子の背もたれに寄りかかってググっと伸びをする。
不意に缶コーヒーがデスクに置かれ驚いて顔を上げると総さまの姿があった。
「ありがとうございます」
「頑張るねー」
「小坂さんも金曜日なのに仕事なんてしてていいんですか?」私はちらりと上目で見上げる。
「そーだよねー」
総さまはふう、と物憂げにため息をつく。
「でも来週から中国に出張だから、今日のうちに資料仕上げないといけなかったんだー」
さすがの総さまもお疲れのようで虚ろな目をしている。
「もうそろそろ上がりなよ。女子を1人残す訳にはいかないから、小森ちゃんがいたら皆帰れないよ」
皆そんな事気にしてくれてたのか。
気づけばハゲの斉藤さんも残っている。
自分の振った仕事で私が残業してるから帰るに帰れないのかもしれない。
まあ、其れは当然だけど。
「そうですよね、すみません」私はシュンと肩を落とす。
「で、何が終わらないの?」
総さまがパソコンを覗き混むとふんわりコロンの香りがする。
「契約書の和訳です… 」
「何これ。頼んだやつ鬼だね。金払って業者にやらせりゃいいのに」総さまは片眉を上げる。
「もう出来ませーん!って泣いちゃえば?」
「そんなん自分が馬鹿だって言ってるようなもんじゃないすか」
私はフンと鼻で笑い、缶コーヒーのプルタブを開ける。
その様子を見て、総さまはニヤリと笑った。

