婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~

「ペットボトルに直接口つけないでもらえますか?そんなトコからアメリカナイズされないでください」

「どうせ俺しか飲まないんだからいいじゃん」

やっぱり、そう来たか、と言わんばかりにニヤリと笑みを浮かべた。

遥は食器棚から青いガラスのコップを出して来た。

「瑞希とキッチン用品見に行って匠さんの分も買って来たんだ。私のはイエローでお揃いだよー」

遥は嬉しそうにニッコリ笑う。

「よかったら次から使ってくださいね」

そんないじましい事言われたら、使うしかないだろ。

「食事は食べて来た?」

「まだ。お腹が空いたな」

「じゃ、今用意しするね」遥はコンロに火をつけて鍋に入っている料理を温める。

キッチンに立つその後ろ姿も大分様になってきた。

俺がダイニングテーブルに腰掛けると、遥がトレイに料理を乗せて運んできた。

今日のメニューはチキンのトマト煮とバケットにサラダだった。

「ど、どうでしょう?」黒い瞳が不安気に俺の顔を覗きこむ。

「うん、美味しいよ」…ちょっと煮込みが足りないけど。

そこはグッと黙っておく。

「SAKUのシェフ直伝のレシピなんですよー」と言って遥は破顔する。

腹が減っていたので俺はペロリと平らげた。

「おかわり」と言って皿を差し出すと遥はギョッとした表情を浮かべる。

「遅くにそんな食べたら太るんじゃない?」

「うん、大丈夫。後で消費するから」

「男の人は代謝が良くて羨ましいな」

おぼこい遥はイマイチ意味が解っていないらしい。

後でじっくり教えてやろう。