婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~

「そんな顔で言われても説得力ないな」

匠さん困ったように眉根を寄せると私をギュッと抱きしめた。

本当は何処にも行って欲しくない。

ずっと側にいたい。

私は泣きじゃくって匠さんにしがみつく。

「だから、き、金髪のギャルと浮気しないでくださいね」

「…それは、遥次第だな」

「え?!」

驚いて顔を上げると匠さんと視線がぶつかった。

「俺が浮気しないようにするにはどうすればいいと思う?」

「そ、そこは嘘でも『しない』って言ってください」

私は顔を真っ赤にして視線を反らす。

ヒント、と言って匠さんは誘うように首筋に唇を這わせてくると、私の身体はピクリと反応してしまう。

「匠さん、フライトでお疲れですよね。今日はゆっくりお休みしてください」

私は何とかかわそうとして身を捩ったがすぐに抱き寄せられる。

「疲れてる時ほど、我慢が出来なくなるもんだ」

「さっき燁子さんに言ってた事と真逆じゃないですか」

匠さんは、そうだっけ?なあんて言ってすっ惚けると、私をひょいっと抱き上げベッドまで連れて行く。

「ちょ、ちょちょっと!なにする気?!」

ジタバタと暴れる私ををのままベッドに下ろすと、上から覆い被さった。

「遥は嫌…?」

アーモンドアイが不安気に私の顔を覗きこむ。

いつもは自信満々のくせに、その目は怒られた後に母親の機嫌を伺う子どもみたいに頼りない。

なんだか愛おしさで胸がいっぱいになってしまった。

私は匠さんの眼鏡をそっと外し、ベッドの脇にあるサイドテーブルに置く。

それをOKの合図と取ったのか、匠さんは私の唇を塞いだ。