お稽古を一旦中断して、向かい合って座布団に正座する。
和室に置いてあったポットでたま子師範は日本茶を淹れてくれた。
「鼻水拭きなさい。みっともない」
たま子師範が渡してくれたポケットティッシュで私は鼻をかむ。
「で、坊ちゃんと、何かあったのかい?」私はこっくりと頷く。
「たくみさんがアメリカに行っちゃうんです」
「は?あめりか…?」たま子師範は首を傾げて聞き返す。
昨日轟さんに聞いた話までをたま子師範に掻い摘んで話す。
「私には何の相談もなしに、一人で決めて匠さんはアメリカに行っちゃうんです。所詮、私は匠さんにとってそれだけの存在って事なんです。共に白髪が生えるまで一緒にいる自信がなくなりました」
自分で言っててまた悲しくなり涙がとめどなく溢れる。
「男なんて勝手なもんだよ」たま子師範は小さく溜息をついた。
「勝手です!勝手すぎます!近づいたと思ったらまた突き放されて、いつも振り回されてばっかり!」
「でも、遥はそんな坊ちゃんに惚れているんだろ?」
匠さんが唇の端をあげて二コリと微笑む姿が頭を過る。
それだけで苦しいくらい胸が痛んだ。
「…そりゃ、もうベタ惚れです」
私が鼻を啜りながら言うとたま子師範は可笑しそうに声をあげて笑う。
「だったら、坊ちゃんが自分で決めた事を信じて応援してあげな。きっと色々考えた末の決断だったんだろう」
たま子師範はフウと息を吹きかけてお茶を冷ましながら飲む。
「きっとね、坊ちゃんは葛城の家に産まれたことによって色々な重圧に耐えて生きて行かなきゃいけないんだよ。側にいるアンタがそれを支えてあげなさい」
「私にそれが出来るのでしょうか?」私は涙でグシャグシャの顔でたま子師範をすがるように見上げる。
和室に置いてあったポットでたま子師範は日本茶を淹れてくれた。
「鼻水拭きなさい。みっともない」
たま子師範が渡してくれたポケットティッシュで私は鼻をかむ。
「で、坊ちゃんと、何かあったのかい?」私はこっくりと頷く。
「たくみさんがアメリカに行っちゃうんです」
「は?あめりか…?」たま子師範は首を傾げて聞き返す。
昨日轟さんに聞いた話までをたま子師範に掻い摘んで話す。
「私には何の相談もなしに、一人で決めて匠さんはアメリカに行っちゃうんです。所詮、私は匠さんにとってそれだけの存在って事なんです。共に白髪が生えるまで一緒にいる自信がなくなりました」
自分で言っててまた悲しくなり涙がとめどなく溢れる。
「男なんて勝手なもんだよ」たま子師範は小さく溜息をついた。
「勝手です!勝手すぎます!近づいたと思ったらまた突き放されて、いつも振り回されてばっかり!」
「でも、遥はそんな坊ちゃんに惚れているんだろ?」
匠さんが唇の端をあげて二コリと微笑む姿が頭を過る。
それだけで苦しいくらい胸が痛んだ。
「…そりゃ、もうベタ惚れです」
私が鼻を啜りながら言うとたま子師範は可笑しそうに声をあげて笑う。
「だったら、坊ちゃんが自分で決めた事を信じて応援してあげな。きっと色々考えた末の決断だったんだろう」
たま子師範はフウと息を吹きかけてお茶を冷ましながら飲む。
「きっとね、坊ちゃんは葛城の家に産まれたことによって色々な重圧に耐えて生きて行かなきゃいけないんだよ。側にいるアンタがそれを支えてあげなさい」
「私にそれが出来るのでしょうか?」私は涙でグシャグシャの顔でたま子師範をすがるように見上げる。

