「とりあえず、滑り出しはなかなか順調だな」一息入れにバーカウンターへ行くと葛城は大好きな赤ワインを差し出してくれた。
「ありがとう…」私は浮かない表情でグラスを受け取った。葛城は白ワインを一口飲む。
「次は来賓客に挨拶、その後にスピーチして、最後はクライマックス、美しき婚約者のお披露目だ!」
おどけて話す葛城を恨みがましい目で見つめる。正直もう家に帰りたい。
「お家が恋しくなってきたかな」それを見透かしたように葛城はニヤリと笑いながら言う。
「とんでもない」私はグラスに残った赤ワインを一気に飲み干す。
「パーティーなんて初めてだから楽しくってしょうがないわ」
おかわりください、と言って空のグラスをバーテンダーに差し出す。
「そりゃ、頼もしい」葛城は片眉を上げて二コリを笑う。
「じゃあ、俺はお客さんに挨拶してくれるから、遥も楽しんでよ、パーティー」
葛城は空になったグラスをカウンターにことりと置いた。
「…へ?」
「じゃあ、またスピーチの前に声を掛けるよ」そう言い残し、葛城はスタスタと会場の方へ去って行った。
う…うそでしょ?言ったじゃない…初めてだって…それなのに放置する訳?
あんの性悪!薄情者!!
私は心の中で散々罵った。信じられない葛城の仕打ちに目に涙が浮かぶ。
どうしていいか全く解らず、バーカウンターの前に立ちすくんだ。
くっそ…
なみなみと注がれた赤ワインを景気づけに一気に飲み干した。
空になったグラスを音をたてて乱暴にカウンターへ置くと、唇についた赤ワインを手の甲で拭う。
「ありがとう…」私は浮かない表情でグラスを受け取った。葛城は白ワインを一口飲む。
「次は来賓客に挨拶、その後にスピーチして、最後はクライマックス、美しき婚約者のお披露目だ!」
おどけて話す葛城を恨みがましい目で見つめる。正直もう家に帰りたい。
「お家が恋しくなってきたかな」それを見透かしたように葛城はニヤリと笑いながら言う。
「とんでもない」私はグラスに残った赤ワインを一気に飲み干す。
「パーティーなんて初めてだから楽しくってしょうがないわ」
おかわりください、と言って空のグラスをバーテンダーに差し出す。
「そりゃ、頼もしい」葛城は片眉を上げて二コリを笑う。
「じゃあ、俺はお客さんに挨拶してくれるから、遥も楽しんでよ、パーティー」
葛城は空になったグラスをカウンターにことりと置いた。
「…へ?」
「じゃあ、またスピーチの前に声を掛けるよ」そう言い残し、葛城はスタスタと会場の方へ去って行った。
う…うそでしょ?言ったじゃない…初めてだって…それなのに放置する訳?
あんの性悪!薄情者!!
私は心の中で散々罵った。信じられない葛城の仕打ちに目に涙が浮かぶ。
どうしていいか全く解らず、バーカウンターの前に立ちすくんだ。
くっそ…
なみなみと注がれた赤ワインを景気づけに一気に飲み干した。
空になったグラスを音をたてて乱暴にカウンターへ置くと、唇についた赤ワインを手の甲で拭う。

