あたしは覚悟を決めてミミさんを見つめた。



「ミミさん。あたし、もう大丈夫。行こう」



 彼女はそんなあたしを見て微笑むと、では行きましょうと言ってお城へと歩を進めた。


 
               * * *



 ミミさんが門番さんとなにやら会話をし、お城の中に入ると迎えたのはだだっ広くて豪華な部屋にぶら下がる数々のシャンデリア。

 下には赤い大きな絨毯(ジュウタン)が敷かれていて、お城のイメージを崩さない内装だ。


 そこでもまた、ミミさんと同じメイド服を身に纏(マト)った女の人とミミさんが言葉を交わし、その人によって違う部屋に案内された。


 ここでお待ち下さい、と言葉を残されて案内された部屋はさっきの部屋と同じくらい豪華で、目がチカチカする。


 部屋の真ん中には、ガラスでできた横長い机と、純白のソファが机を挟んで置かれていた。

 この部屋の奥にも大きな木のドアがあって、どこかに繋がっているようだった。


 あたしが入ってきた部屋の後ろのドア付近には、メイドさんが三人ほど控えている。



 落ち着かない様子でソファに腰を下ろしていると、ドアが開閉された音が聞こえた。